テクノロジーの発達と共に社会全体が大きく変化した現代社会では、SNSをコミュニケーションの手段として使用するのが当たり前になりました。
とくに、現在の高校生は小さい頃からスマートフォンを持っているため、大人よりもSNSが身近な存在であり、利用率も極めて高い傾向にあります。
高校生の重要な情報収集源でもあるSNSの運用は、入試広報担当者が学生を募集するために取り入れなければいけない重要な施策です。
この記事では、高校生がよく利用しているSNSや使う目的、学生募集に効果があるSNS活用術を詳しく紹介します。
高校生がよく利用しているSNSをランキング形式で紹介
入試広報担当者が学生募集でSNSを利用するのであれば、まず現在の高校生がどのようなSNSを利用しているのかを把握しておく必要があります。
学習管理アプリ「Studyplus」の調査によれば、現在の中高生は93.5%が何らかのSNSを利用しており、8割以上が中学を卒業するまでに利用を開始しています。
下記の項目では、現在の高校生がよく利用しているSNSをランキング形式で紹介します。
1位:LINE
高校生が最も利用しているSNSはLINEです。
YTJP参加校の高校生を対象とした郵送アンケートでは、高校生の男女のLINE利用率は下記の数値となりました。
- 男子⇒89.1%
- 女子⇒88.5%
LINEは全世代で最も多くの方が利用しているSNSで、とくに10~50代に限定すればスマホ所有者のうち8~9割以上が利用しています。
無料で友達とチャットや通話ができるアプリで、電話代がかからないため友人と長く電話をしたい高校生から高い人気を獲得しています。
スマホを所有する高校生で、LINEを入れていない方はほぼいないといっても過言ではありません。圧倒的な認知度と利用率を誇るSNSです。
2位:YouTube
LINEに匹敵する知名度と利用率を誇るSNSがYouTubeです。
全国の高校生を対象に行った「LINEリサーチ」の調査によれば、98%がYouTubeを視聴した経験があり、そのうち76%は毎日欠かさずに視聴していることが明らかになりました。
男子の約8割、女子の約7割が毎日YouTubeを視聴しており、1日1時間から2時間未満という視聴時間が割合的には最も多く分類されています。
好きなユーチューバーの動画や音楽を聴くのがメインではありますが、男女ともに約18%がよく見るジャンルとして勉強や授業を挙げています。
高校生の情報収集ツールとしてもYouTubeは使われていますので、入試広報担当者は注目すべきSNSとして運用を考えていくべきコンテンツです。
3位:Instagram
現在の高校生は、Instagramを情報収集の場としても活用しています。
従来までは検索エンジンを活用する「ググる」という言葉がありましたが、現在は「タグる」という言葉が高校生の間では定着しています。
InstagramやTwitterで使う「タグる」は、SNS上でハッシュタグを用いて検索する時に使う言葉で、自身が欲する情報を収集する際に利用されています。
Instagramは画像がメインのSNSなので、直感的に情報を収集できる利点があります。
高校生の利用率も男子が約50%、女子が約66%と多く、とくに女子は情報を発信する用と収集する用などで複数アカウントを所有している傾向が高いです。
4位:Twitter
リアルタイムで最新情報を追えるTwitterは、テキストと画像が使えるSNSです。
前述した「Studyplus」では、中高生の52.5%が利用しており、そのうち47.3%の人が複数アカウントを使い分けていると回答しています。
Instagramと同様にハッシュタグの機能が充実しているため、自らは発信せずとも、情報収集だけを目的に利用している高校生が多くいます。
拡散性と検索性に優れたSNSなので、入試広報担当者は積極的な活用が求められます。
5位:TikTok
ショート動画の投稿・視聴ができるTikTokは、高校生をはじめとする若年層を中心に高い注目を集めているSNSです。
前述した「LINEリサーチ」の調査によれば、高校生の約40%が利用しています。男女別でみると、男子は約30%、女子は約46%なので、比率は女性が多めです。
平均視聴時間は全SNSの中でもトップクラスではありますが、他のSNSと比べれば利用率はやや低めです。
とはいえ、近年では大学がTikTokの公式アカウントを開設する動きも増えており、大学生活のリアルな声や学校の雰囲気を届ける動画を投稿し、人気を博しています。
高校生がSNSを使用する主な目的を紹介
ここからは、高校生がSNSを使用する主な目的を紹介します。
友人との交流
今の高校生は、友人との交流を図るためにSNSを積極的に活用しています。友人との交流が図れる代表的なSNSは、LINE、Instagram、Twitterなどが挙げられます。
前述した「Studyplus」の調査でも、52.7%の高校生が「リアルの友人との交流」を目的にSNSを使用していると回答しています。
とくに利用率No.1を誇るLINEは、友人だけではなく家族とのやり取りでも重宝されています。
仲のいい友人だけやクラスでグループLINEを作れば、同時に情報を共有することも可能であるため、従来までのメールの代わりとして積極的に活用している高校生は非常に多いです。
情報を収集するため
今の高校生は、情報を収集する目的でSNSを利用しています。
前述した「Studyplus」の調査では、74.5%の高校生が「見て楽しむ・情報を得るため」という目的でSNSを使用していると回答しています。
従来までは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを用いて情報を収集するのが主流でした。しかし最近の高校生は、検索エンジンではなくSNSを使い情報を収集しています。
入試広報担当者は、SNSが情報を収集するための重要なツールになっているということを理解したうえで、適切な運用に取り組まなければいけません。
SNS運用に失敗している大学・専門学校の特徴
SNSの重要性を理解したうえで運用に取り組んではいるものの、学生募集で目に見える成果を上げられていない大学・専門学校は決して少なくありません。
学校がSNSを活用しきれていない最大の理由は、情報発信が一方的になっているからです。
たとえば、大学の公式SNSアカウントで投稿している内容がオープンキャンパスの告知や入試情報ばかりであるとします。
この場合、高校生からすればわざわざSNSは見なくても把握できる内容ばかりなので、アカウントをフォローしたり拡散しようとは思いません。
大前提として高校生は、SNSを通して大学のホームページやパンフレットでは見られない情報を入手したいと考えています。
SNS運用の担当者は、学校の魅力を最大限にアピールできる方法を模索すると良いです。
学生募集に効果があるSNSの活用術を紹介
ここからは、入試広報担当者が把握しておくべきSNSの活用術を紹介します。
専任の担当者を付ける
SNS運用で学生募集をする際は、必ず専任の担当者を付けましょう。
人的リソースを確保する観点で難しい場合もありますが、少なくとも1人、理想をいえば複数人で運用し、役割を分担することをおすすめします。
- SNSの配信計画の策定
- 投稿内容の検討と制作
- SNSの効果分析・レポート作成
SNSはボタン1つで世界中に投稿できるという気軽さから、常に炎上のリスクがあることも忘れてはいけません。不適切な内容ではないかを確認するため、複数人での運用が望ましいです。
配信内容や投稿日は余裕をもちながら計画的に行い、その都度で適切な文言か間違いがないかなどは逐一チェックする体制を整えておきましょう。
魅力を伝える内容を心がける
SNS運用で学生の募集を増やしたいのであれば、学校の魅力を最大限に伝えられるコンテンツを積極的に配信していくべきです。
前述したように、SNS運用で失敗している学校は一方的な情報発信しかしていません。
SNSを見た高校生が、「この大学は楽しそう」「自分に合っている気がする」「オープンキャンパスに参加してみたい」と思ってもらえるように関心を引き出せるコンテンツが理想です。
SNSで高校生からの反応が高い投稿は、有機的な投稿です。入試日程やオープンキャンパスの内容といった無機的な投稿では、SNSを見ている高校生からの共感は得られません。
たとえば、15,000人のフォロワーを抱える立教大学の公式Instagramでは、学校の外観や中の写真を積極的に投稿しています。
そうすることで、高校生は具体的に大学へ通うイメージを描くことができ、ここで大学生活を送ってみたいという共感を集めることができます。
大阪医療技術学園専門学校の公式Twitterでは、オリジナルのキャラクターを作り親しみを抱きやすい取り組みを実施しています。
ユーザーから寄せられたリプライへも積極的に回答しているため、高校生が抱く悩みや不安を解消し、学校への好感度と信頼度をSNSを通して高めています。
魅力を伝えるためのコンテンツ内容は各学校で変わりますが、SNS運用により高校生に興味を抱いてほしい場合は、相応の準備や取り組みが不可欠です。
まとめ
現在の高校生がよく利用しているSNSや使う目的、SNS運用を成功させるための活用術を詳しく紹介していきましたが、参考になりましたか?
高校生はSNSをコミュニケーションツールとしてだけではなく、情報を収集する場としても活用しています。
そのため、入試広報担当者が高校生に学校を知ってもらうためSNSを活用するのは決して誤った方法ではなく、今の時代に合っている正しい手法であるといえます。
とはいえ、学校の公式アカウントを開設したからといってすぐに成果が出るわけではなく、運用方法がわからないと悩んでいる担当者は多くいるのではないでしょうか。
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