オープンキャンパスは、学生が進学先を決めるうえで最も重要なイベントです。
学生はどういう学校か知るためにオープンキャンパスに参加します。学校の魅力や雰囲気を最大限に伝えることができれば、入学希望者を増やすことができます。
しかし、「オープンキャンパスに学生を集めるための導線の作り方がわからない」と悩んでいる入試広報担当の方は多いのではないでしょうか。
少子化や大学の数が増えたことによるニーズの多様化により、一切の取り組みなしで多くの学生を集めることは難しくなっています。
この記事では、オープンキャンパスの重要性、集客に効果的な導線の作り方、アフターフォローの方法を詳しく紹介します。
オープンキャンパス集客において、何をすれば学生の数を増やせるかで悩んでいる入試広報担当の方は、ぜひ最後までご覧ください。
オープンキャンパスの形態は全部で2種類
従来までは実際に志望校へ訪れる来校型のオープンキャンパスが一般的でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの学校がオンライン型を採用し始めています。
- 来校型
- オンライン型
オンライン型であれば、「気になる学校はあるけど遠くて参加する時間が作れない」という学生の悩みを解決できます。
スマホやパソコンさえあれば気軽に参加できるため、1日に複数の気になる大学を見て回れる点も大きなメリットです。
しかし、来校型とは異なり、大学の雰囲気や周辺環境までは完全に把握できないというデメリットがあります。
実際に来校型とオンライン型では、学生がオープンキャンパスに参加した後の入学意欲の変化に大きな違いがあります。
株式会社ディスコが2021年に実施した「コロナ禍での進路決定状況と進路選び」によると、オープンキャンパス参加後の入学意欲に下記の違いがありました。
- 来校型⇒90.3%
- オンライン型⇒75.9%
来校型のオープンキャンパスでは約90%の学生が入学意欲が「高まった・やや高まった」と回答しているのに対して、オンライン型では75.9%に留まっています。
たしかにオンライン型にもさまざまなメリットはありますが、来校型に比べると学生へ与える刺激という面ではやや劣るという印象です。
入試広報担当の方は、新型コロナウイルス感染症の動向にも注視しながら、来校型とオンライン型の双方でオープンキャンパスの在り方を考えなければいけません。
オープンキャンパスに学生を集める重要性を紹介
そもそもなぜ、入試広報担当者はオープンキャンパス集客を成功させて学生を集めなければいけないのでしょうか。下記に記載する2つの項目で、重要性を詳しく解説します。
少子化により学生の数は減少している
日本は現在、深刻な少子高齢化へと突入しています。
JSコーポレーションが発表した「都道府県別 高3生人口推移」によると、2023年3月に卒業する高校3年生は全国で109万7,148人ですが、10年後には8万9,658人減少すると予測しています。
少子化による学生の減少はすでに多くの大学へ影響を与えており、日本私立学校振興の調査によれば、私立大学の33%は定員が割れている状態です。
当然ではありますが、入学する学生が減少すれば学費の総額も減るため、大学は経営難に陥る可能性が高くなります。
子どもが少ない時代だからこそ、志願者を確保するための重要な取り組みとして、オープンキャンパス集客を成功させる必要性に迫られているのです。
対面で学校の魅力を伝えることができる
来校型のオープンキャンパスでは、学生に対してリアルな大学の姿をアピールできます。
近年ではオンライン型を実施する学校も多くありますが、前述したように学生の入学意欲を高めるためには、来校型の方が優れています。
多くの学生は、オープンキャンパスに参加して学校のホームページでは把握できない魅力や雰囲気を知りたいと考えています。
- 学校の雰囲気を知ることができる
- 在校生と話せる機会がある
- 教員や授業の内容を具体的に把握できる
オープンキャンパスには学生の入学意欲を上げる効果がありますが、その効果を学校側が享受するためには、そもそも参加してもらえなければ意味がありません。
オープンキャンパス集客に効果的な導線の作り方を5つ紹介
ここからは、オープンキャンパス集客に効果がある導線の作り方を紹介します。豊富な選択肢の中から選ばれる大学になるためには、下記の集客方法を試してみてください。
ホームページ
大学のホームページは、さまざまな情報を配信して学生を集めるための重要な導線です。
デジタル広告やSNSで大学を知るキッカケを作ることは可能ですが、多くの学生は具体的かつ詳しい情報を大学のホームページから収集しています。
スマホが普及している昨今では、ホームページから受ける大学の印象が悪くて学生が離れてしまうケースも決して珍しいものではありません。
そのため、とくに下記の情報は学生がすぐに見つけられる部分に配置するようにしてください。
- 学校の魅力を伝えるコンテンツ
- お問い合わせフォーム
- オープンキャンパスの開催情報
とくに、ホームページからオープンキャンパスへの導線を作りたいのであれば、より目立つ場所に案内を配置し、1つのコンテンツページとして作成しておきましょう。
ポータルサイト
ポータルサイトは、学生が進学先を見つけるための玄関口ともいえる重要な存在です。
「ナレッジステーション」や「リクナビ進学」などのポータルサイトへ露出すれば、それだけ多くの学生へアプローチすることが可能です。
しかし、多くの学生が集まるポータルサイトはそれだけ多くのライバルがいるということでもありますので、効果的に学生を集客するためには他の大学との差別化が重要です。
大学の魅力を伝えるのはもちろんですが、オープンキャンパスで開催されているイベントなどを通して、資料請求や予約などの適切な導線を引くようにしましょう。
デジタル広告
学生がオープンキャンパスの開催を知るキッカケとしては、デジタル広告の活用もおすすめします。とくにおすすめしたいのは、SNS広告の活用です。
- LINE
- YouTube
Webサイト上に表示できるリスティング広告やディスプレイ広告だけではなく、SNSのタイムラインに配信する広告や、動画広告など種類はさまざまです。
広告で発信するメッセージは、学生に響くクリエイティブな要素がなければスルーされてしまう可能性は高いです。
しかし、広い範囲での認知拡大を目的にしている場合はデジタル広告が優れています。
年齢や性別、地域や予算などは詳細に絞ることができるため、効果的なオープンキャンパスへの導線を作りたいと考えている方は、ぜひ検討してみてください。
プレスリリース
メディアへの一時情報として利用されるプレスリリースは、第三者の視点で記事化されるため、多くの学生に見てもらえる可能性があります。
オープンキャンパス集客を成功させるためには、まずは学校の存在とオープンキャンパスが開催されていることを学生に知ってもらわなければいけません。
メディアには日々膨大な数のプレスリリースが届いていますが、学生が興味を持ちそうな魅力的なイベントを開催していれば、Webメディアに取り上げられる可能性が高くなります。
また、有料で記事にしてもらうという手段もありますので、Webメディアを通して認知を拡大するという手段も忘れずに実施するようにしましょう。
SNS
近年のオープンキャンパス集客において、SNSの活用は不可欠な存在です。
Twitter、Instagram、LINE、Facebook、TikTokなど、学生の利用率が高いSNSは公式アカウントを作成し、各媒体に適した方法でオープンキャンパスの開催を告知しましょう。
SNSは、学生の利用率が高いので認知度の拡大が期待できるだけではなく、双方のコミュニケーションが図れるという点も大きなメリットです。
学校側からの投稿に対して学生から質問があれば、SNSを通して気軽に返信できます。地道な作業ではありますが、これも学校の信頼度を上げるという意味では重要な取り組みです。
ホームページのURLをプロフィールに添付しておけば、SNSがキッカケで興味を持った学生を、オープンキャンパスへ誘導することができるかもしれません。
オープンキャンパス後のアフターフォローも忘れてはいけない
オープンキャンパスに多くの学生に参加してもらうための取り組みはもちろん重要ですが、それに匹敵する位に大切なのがアフターフォローです。
もちろん、理想的なのはオープンキャンパスでのクロージングです。しかし、それが難しい場合は、適切なアフターフォローで学生の興味を逃さない取り組みが重要です。
大切なのは、オープンキャンパスで興味を深めてもらえた学生との関係性の構築です。
参加してくれたことに対するお礼のメール、定期的なメール配信による各種案内、SNSでのコミュニケーションなど、さまざまな手法で関係性は作られていきます。
「オープンキャンパス集客が成功したから終わり」ではなく、その後のアフターフォローまでしっかりと行い、1人でも多くの志願者を増やす取り組みを実施しましょう。
まとめ
オープンキャンパス集客の重要性、適切な導線の作り方、アフターフォローの方法を詳しく紹介していきましたが、参考になりましたか?
コロナ禍でオンライン型のオープンキャンパスが普及した昨今ですが、学生の入学意欲を上げるためには依然として来校型の方が高い効果を発揮しています。
これからも少子化が続く日本では、1人でも多くの志願者を増やすための取り組みとして、オープンキャンパス集客は非常に重要です。
選ばれる学校の実現に貢献する『入試広報戦略LABO』では、オープンキャンパスの集客目標などを設計し、学生募集をサポートする入試広報コンサルティングを行っています。
オープンキャンパスの企画、集客、当日の運営、事後フォローまでを一貫して行いますので、集客に対して悩みを抱えている入試広報担当の方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
コメント